クマデジタル

迷ったら、高い方


無線機

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久しぶりに広帯域受信機の話。
IC-R20は工場出荷状態で800近いメモリーがプリセットされていたが、アナログ無線通信が廃れてきている現在では、受信できる通信はそう多くはない。

IC-R20-201301-1

窓の外にアンテナを置きケーブルを引くことで、室内でもぬくぬくと東京アプローチ(119.1MHz)や関東西セクター(120.500MHz)などいくつか受信できるが、メモリー数に対して受信できる電波が少ないので、普段受信できるプリセットをメモリグループ上で纏めておきたいなぁと。


CS-R20BOX2

そんなわけで、ちょうど1年前に購入してありながら絶賛放置中だったクローニングソフトウエアiCOM CS-R20をVMWare Fusion上のWindows 7にインストール。IC-R20をUSBケーブルでWindows環境に接続した。


iCOM CS-R20 Screenshot

まず第一にすべきことは、工場出荷時のメモリーをPC上にバックアップすること。これをしておけば操作ミスでメモリを書き換えてしまっても容易に元に戻せる。

…が、その次の操作が、なんとも。

メモリ内容をマウス操作でドラッグ&ドロップできないし、複数のメモリを選択して一斉に同じグループ名を付けることもできない。10年以上?前のソフトながらWindows 7でも動作する素直な作りは評価できるが、なるほど、「クローニング」ソフトウエアという名前は間違いではないな…。

まぁたしかに1000件もあるメモリーを本体のテンキーでプリセットするのは気が遠くなる作業だし、メモリーの1件ごとのコピー&ペーストはできるので、ちまちまと、常用周波数リストを作ってみましょうか。






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ic_r20_box2

その日、夜になってからIC-R20を開封。そもそもこのダンボール感むき出しの外箱がいい。この辺から信頼感漂いまくりです。

ic_r20_box3


ic_r20_batt1

付属のリチウムイオン電池は半分くらいは充電されてるだろう…と、早速本体に装着するも、装着の仕方が解らず(ぇー

正解は「力ずくでねじ込む」だったんですが、単三電池とリチウムイオン電池を兼用できる機構のためか、はたまた信頼性確保のためか、リチウムイオン電池のはめ込みが非常に固い。


ic_r20_lcd1

アンテナを接続し電源を入れてみると、グリーンのバックライトと共に液晶画面に情報が浮かぶ。もちろん周波数以外は何が書いてあるか解りません(ぉ。

しばし取説冊子と首っ引きになり、スキャンの方法を理解。工場出荷状態からプリセットメモリに700件ほど入っているようなので、そのメモリを使ってオールスキャンをかけてみます。

結果、横浜市内のそこそこ標高が高い位置にあるアパートの室内では、救急車の無線しか引っかかりませんでした(笑。まだデジタル化されていないのにも驚きましたが、それと表裏一体で、この辺では何の通信もされていないという現実を認識しました。

ハンディ機で受信するなら電波の出ている現地に向かうのが基本…とは頭では理解していましたが、さすがにここまでとは。救急無線をいつまでも聞いているのも、その内容から、なんか滅入ってくるし…。

というわけで、AMラジオ、FMラジオ、短波はまぁ入りますが、その他には救急無線が1局だけという残念な結果の我が家。もちろん、ベランダにそこそこのアンテナを建てる方法もあると思いますが、そこまでは…と思っているので、基本は望遠レンズ同様、屋外で運用することが中心になりそうです。もしかするとサードパーティのハンディアンテナだと改善するのかも知れません。


ic_r20_1

しかしこの大きさを許容できれば、ハードウエアとしての魅力は満点。R6にはないキーイルミもあるし、音質も良好。複雑怪奇な周波数メモリー構成も、何とか理解しつつあります。


ic_r20_aca

ところで、お持ち帰りの際にズッシリ重かった理由が判明。
ACアダプタがイマドキあり得ないくらいに「鈍器のようなもの」なんです。
懐かしの「トランスタイプ」のACアダプタです。

いくら2004年発売でも、既にスイッチング電源を使った超小型のACアダプタはあったはずで、なぜトランス式?と思いましたが、スイッチング電源から出るノイズを嫌ったのかなぁと理解しました。でもACアダプタをくるんでいたプチプチ、軽く黄変していましたよ?(笑 相当長い間、工場に在庫されていたのでは…。

つづく。

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ICOM IC-R20 広域帯ハンディレシーバー(Amazon)

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…で、アキバを1時間半ほど右往左往して決めた結果がこれ:

ic_r20_box1

ああもう…楽天のポイントで買うつもりだったんですが、軽く予算(ポイント)オーバーだわニコニコ現金払いだわで、色々予定狂いまくりです。日和って本体しか買えませんでしたよ(笑 本当はクローニングソフトとか特定帯域用アンテナとかいるんだろうな…。

ネットでも安いと評判の、富士無線さんで買いました。価格は口止めされていますが、確かに安い。電車賃ペイどころではないです。

「悩む理由が価格なら、買え。買う理由が価格なら、買うな」

とは最近知った格言ですが、確かにエントリーモデルの2倍以上という価格はたじろぎますね。それに価格だけではなく、体積も2倍以上。重量が1.5倍程度なのが救いですが、「うん、いい無線機だ。いかにも無線機って味だ」という見た目には旧世代感が漂いまくりです。第一、今年モデルチェンジだと予想してなかった?>自分。

店頭で大きな実機を目の前にして、

(こんなの使うのかなぁ…)
(大きくて嫌にならないかなぁ…)
(2波同時なんて耳がついて行けるのかなぁ…)
(EOS 5D3貯金どうしよう…)

などと色々な思いが巡りましたが、その風格に「受信機を構成するのに必要な大きさ」を感じたのも事実。

無線機とか受信機って未だアナログの固まりなわけで、ある程度性能を出そうと思ったらそれなりの規模になるはず。オーディオの世界で言う「デジタルアンプ」のような「ひとっ飛びの技術」があるわけでもなく(せいぜいシリコンチューナーとマイコンくらい?)、だとすればIC-R20の大きさは必然…。

そして、最終的にはこう考えたことが決め手でした。

(IC-R6やVR-160を買っても、結局はIC-R20を買う自分の姿が見える!)

ああホント、私は昔からそうです。
それと、前々回のエントリにshigechanさんから頂いたコメント、

Posted by shigechan 2012年01月15日 19:20

無線にはまりかけたかつての想いを蘇らせるならば、高価格品で決まりでは無いかと

という気持ちもありましたね。そう、かつての想い…そうです。実用性もさることながら、子供の頃果たせなかった想い…。それを満たすためには、実用的な超小型機ではダメだったんです。

たぶん店頭では相当、目が本気モードだったんでしょうね。富士無線の応対してくれた店員さんも「普通はR6をお勧めするんですが… そこまで考えてらっしゃるならR20では…」と、見透かされていたと思います(笑

ic_r20_key1

ズッシリと重い箱を持って帰宅、早速使ってみて、私は無線通信の実態を知ることになります。

つづく。(引っ張るな−)

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ICOM IC-R20 広域帯ハンディレシーバー
広帯域ハンディレシーバー IC-R6
VR-160 スタンダード(STANDARD) ワイドバンドレシーバー100kHz〜1300MHz
(いずれもAmazon)

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最終的にはVERTEX STANDARD VR-160、ICOM IC-R6、ICOM IC-R20の3択までは絞り込んだんですが、そこから悩み続けました。さらに調べるとネット通販価格とアキバ実売価格にずいぶん乖離があるようで、実物を見れば決定的な要素が立ち上がってくる(言ってみたかっただけです)かも知れない…と思い、日曜の朝一番にアキバへ。

アイコムのWebページによると、アキバと言えどもアイコム取扱店はもはや4店舗しかありません。候補の機種の現物を見るのは勿論初めてですが、まず目に入ったのはVERTEX STANDARD のVR-160。うっは、これは小さい!想像以上の密度感があり、ガジェット心をくすぐられます。ただ店員さんとお話ししたところでは、初めての人にはあまりお勧めしていない様子。理由はIC-R6のスキャンがあまりにも速すぎるため、まずはIC-R6をお勧めしているようでした。でも見た目ではVR-160、カッコイイよなぁ…。液晶画面もIC-R6と違ってドットマトリクスで見やすいし。

そのIC-R6も、VR-160ほどの密度感はありませんが、充分小型。大抵のポケットに入ります(アンテナ以外は)。この「見た目のステルス性」というのは結構重要で、広帯域受信という行為自体には何ら違法性はないのですが、Webで情報収集してみると、たとえば政府専用機とかエアフォースワンが離着陸するときに近くでワッチしていたりすると、職質の対象になったりするそうです。もっとも、受信機持っていなくてもバズーカ砲のようなレンズを持っていれば充分職質の対象だと思いますが(ぉ

出張などで地方に行ったときにも楽しめるのが広帯域受信機の面白さですが、出張カバンに入れるならVR-160かIC-R6でしょうね。この大きさで用が足りるなら、それに越したことはないでしょう。

そしてIC-R20。まぁこれは2グレードくらい上の機種なのでサイズを比べるのも酷なんですが、さすがに大きい。iPhoneと比較すると、幅は同じで、高さは1.5倍、厚みは3倍くらいになります。価格も他の2機種の2倍以上。1980年代の機器のサイズを知っているとこれでもそれなりに小型化が進んだのだな…とは認識できつつも、いかんせん携帯電話やらウオークマンやら他の携帯ガジェットのサイズの進化からはまるっきり置いていかれている世界のように感じました。

もっとも、IC-R20は2004年発売で、今年で8年目。前機種IC-R10とのモデルチェンジサイクルが8年だったので、2012年…今年か!…には新型が出そうな気もします。

店員さんに説明を聞いても雑誌の評価通りで、鉄板かつ初心者にお勧めしやすいIC-R6、目的を持った方のVR-160、それでも物足りない方用のIC-R20という位置づけのようです。

それにしてもアキバの無線機屋さん、昔ながらのアキバって感じで…なんか色々懐かしかったです。


結局1時間半ほど電気街をうろうろして、逝ってしまったのですが。
何を選択したかは、次回につづく。(引っ張るのかよ)


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今回は本気で検討している広帯域レシーバー。
いかんせん予備知識が乏しいので、ネットで情報収集。
すると、いろいろ解ってきた。

  • 「自由民主党本部放火襲撃事件」や「グリコ・森永事件」をきっかけに、警察無線のデジタル化が進んでいる。
  • 同様に消防無線、鉄道無線もデジタル化が進んでいる。
  • デジタルなので当然スクランブルがかかっており、通信している当人同士以外は聞くことはできない。
  • つまり、現在市販されている「広帯域受信機」は、航空無線(エアーバンド)の受信が主な用途になっており、その他デジタル化の遅れているいくつかの消防団体や鉄道会社を聞くのが主な用途。

ということなので、10年前、20年前のように「あらゆる通信を聞いて楽しむ」ような時代になりつつ ではなくなりつつあるようだ。確かに、むしろ警察やら消防の無線を自由に聞けた時代の方がおかしいとも言える。もっともそういった秘匿性の話を抜きにしても、電波の効率的利用を考えれば、デジタル化は避けられないだろう。

航空無線は今のところデジタル化の予定はないようだが、「無線通信を聞く」という行為が、終焉方向に向かっているのは間違いない。おそらくいま受信機を買うと、その耐用年数を迎えるころにはオワコンになっている可能性が高い。広帯域受信機を買うのはもう時代的にラストチャンスなのかな?という気もする。まぁ私の場合は航空無線がメインターゲットで、ほかの通信は「まぁ聞ければいいや」程度に思っている。

そして書籍も購入してさらに情報収集。

koku_musen_handbook2012

航空無線ハンドブック 2012 」(AA)という本を買ってみたのだが、1,800円は高いなぁ…と思っていたら、エアーバンドの2012年度版周波数帳が付いてきた。これなら納得。


読み進めると、あのBOEING 787の試験機が日本初着陸した日のことが書かれたページがあった。あの日のことは未だに鮮明に覚えており、4本ある羽田のどの滑走路に進入するのか、まぁ少なくとも季節と風向きを考えれば34Lか34Rなのだが、カメラを構えるにあたっての情報源はtwitterのANA BOEING 787の公式アカウントだった。

BOEING 787 Dreamliner

そう考えるとやはり広帯域受信機がなくて困ることはないような気がするのだが、まぁそれはこういった特別なイベントだからであって、いや、でも自分は特別なイベントがなければ撮りに行っていないような気もするし(笑 そして追い打ちをかけるのがやはりiPhoneの存在。

flightradar24

Flight Radar 24のiPhone版アプリなどを見ると、もはや音声の受信機などなくても何ら困らないような気もする。ただ、網羅性についてはどうなんだろ、羽田の上空とか見ると、ちょっと機数が少ないような気がしないでもない。

時代は変わったのだ。

つまりあれだな、実用と言うよりは、雰囲気とか、旅情とか、そっち系?

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広帯域ハンディレシーバー IC-R6
ICOM IC-R20 広域帯ハンディレシーバー
(Amazon)

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