よくもここまで育ってくれたという感慨で迎えた卒園式。

思い返せば息子は生まれてからずっと不機嫌そうな顔をしていた。iPhotoに並ぶ0歳時の写真はみな眉毛が8時20分だ。それが異常だと気がついたのは、生後9ヶ月の頃。あまりにも寝息が騒々しいものだから、ハンディカムで撮影したものをかかりつけの小児科医に診せたら、これは…ということで、あれよあれよという間に県下屈指の高度な小児科のある「神奈川県立こども医療センター」でのアデノイド切除術となった。それが息子が生まれて初めて迎えたクリスマスの日の出来事。

私はあの手術が息子の人生の転換点であったと確信している。ハンディカムで撮って小児科に見せなかったら、そして小児科の先生がビデオの映像から異常を敏感に感じ取れなかったら、息子はどうなっていただろうか。何しろ生まれてこの方、睡眠時に呼吸が不完全だったのである。成長が遅くなるどころか、突然死の危険性すらあったわけだ。これが200年前だったら、もうなかった命かも知れない。このときほど現代のテクノロジーと小児科の先生の知見に感謝したことはない。


退院した息子は、実に穏やかな顔つきになった。あそこから追い上げるような息子の成長が始まった気がするが、それでも「早生まれ」+「生後9ヶ月間の呼吸不全」のハンデは大きかったのか、3歳時の知能検査では「将来、養護学校か擁護クラスへの入学を検討要」というレベルと判断された。しかし我々夫婦は心のどこかではその事実を正面から受け止められず、「まあ何とかなるよ」くらいの気持ちでいた。

ツマは本心では不安だったようだが、私はさほど不安はなかった。息子は成長が遅いと言うより、私に似たエキセントリックさが感じられたからだ。外見はツマ似だが、中身は私にそっくりだ。人の話し中にあさってのことを考え、興味のありなしが激しく、そして短気で負けず嫌い。実際、4歳で幼稚園に入ってからも息子の成長は著しく、来春には普通の小学校に入学できるレベルにまでは追いついた。とりあえずは一安心。

息子が通った2年間は、幼稚園バスを使わなかった。徒歩や自転車でも行ける距離だし、バス代を節約したいということもあり、上の子のときには(下の子が小さかったこともあるが)家の前からホイと乗せていた幼稚園バスを今回は使わず、雨の日も風の日もツマが毎日送り迎えした。しかし息子と通った2年間分の送迎の道程は、ツマにとって思い出深い時間になったようだ。


そんな息子は、卒園後の明日、6歳の誕生日を迎える。
プレゼントは「ポケモンカードゲーム」がいいんだって。
お前あんな難しいのできんのか?

それはともかく、6歳から電車が有料になるので、PASMOを1枚買わんとなあ。

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