クマデジタル

迷ったら、高い方


風景

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登山シーズンに夜間富士山に見える「光の列」を撮影したくて自宅近くから何度かトライしていたんですが、登山可能な7〜8月はどうしても空気がガスっていることが多く撮影には成功しませんでした。ネットでは40km離れたところから光の列が撮影できた、という報告例もあったんですが、うちは直線で70km以上あるからなぁ。



EOS 5D Mark IV + EF 24-70mm f/4L IS USM / ISO=1600

そこでいっそのこともっと近くから、ということで気象サービスSWCとにらめっこして、夜の山中湖まで行ってみました。18時に思い立って、19時に出発、21-22時で撮影、0時帰宅という弾丸ツアーです。

しかしここからだと肉眼で普通に見えるんですね。初めて見ました。山中湖の富士山と言えば冬山(登山者がいない)しか見ていなかったので…。

常連っぽい方がすでにカメラを構えていましたが、その方々の内輪話に耳を傾ける限りではこの日は無風で普通の写真を撮るのであれば条件は良いとのこと。但し彼らは雲と絡めて何らかの表情を出したかったようで、雲が出てくるのを待って酒盛りをしていたようなのですが、全く雲が動かないことを確認するとそのまま車で去って行ってしまいました。もしかして飲酒運転ですか?さすが山梨県…

暗ければ天の川も写りそうなものですが、この日は月が出てて空が明るかったので、ムリでしたね。その代わり富士山の斜面のディテールが下の写真のようによく見えました。



EOS 5D Mark IV + EF 70-300mm f/4-5.6 IS II USM / ISO=800

300mmで狙ってみました。明るめの光は山小屋ですが、その間を繋ぐ細い光が登山者です(実際に見ると動いています)

撮影したのは午後9時過ぎなので、この時間帯に7〜8合目を登っているのは徹夜で山頂まで一気に登り、翌朝ご来光狙いってことですよね。


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山頂付近を切り出してみると、鳥居が見えますね。いやぁよく見えるなぁ。


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この鳥居ですね。


しかし山梨県側に住んでいる人は、夏の間はあの光の筋をずっと見ているわけですよね。富士山の夏の夜の間ずっと続く光の筋、ある意味異常と言えば異常ですよね。






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富士登山の吉田口からのルートは意外と東京方面を向いていたので(もっと山梨県側を向いているのかと思っていました)、自宅近くから見えるんじゃないかと思い、先ほどちょっと高い建物に上って富士山を撮ってきました。これやってみたかったんです。(各写真はクリックするとflickrで拡大)




…さすがに夏なので、ガスっていて見えませんね。




しかし、iMacのHDDを漁ったところ、今年1月にくっきり目の写真が撮ってありました。これを使いましょう。(→本日の撮影は徒労)




それをさらにPhotoshopで「かすみの除去」をかけます。




Google Mapsと見比べながらルートを確認します。
まず肉眼でもよく見えるのが、「1.吉田ルート下山道」。あのギザギザはきっと道なんだろうとずっと思っていましたが、まさか自分が下りてきた道だったとは。よく見えるなぁ。

吉田ルートの頂上にある「2.久須志神社」はあのあたり。ちょっと分かりにくいですが上りのルートは「3.吉田ルート登山道」のあたりです。泊まった山小屋は「4.」のあたり。

そして意外なのが、テレビによく登場するスタート地点「5.富士スバルライン五合目」。お土産屋さんとかがいっぱい建っている観光地ですが、登山/下山ルートから結構遠くないですか!? 登りはそれほど感じなかったのですが、下りは下山道のギザギザが終わってから実際遠く感じましたねぇ。


実は夜中の登山のヘッドライトの行列もここから撮れるんじゃないかと期待しているんですが、夏場はガスっていて難しいかなぁ。でも冬は空気が澄んでいても閉山してるしなぁ。

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計画を立てていた頃に色々アドバイスくれた職場の大先輩に「上まで登ってこられました。一回登ればもういいです(笑)」と報告したところ、「忘れた頃にまた登りたくなる」と言われました。あれから一週間経ってみて、確かにもう少し全体的に楽しめたら良かったなぁと今更ながら思い始めました。

いままでの人生で「坂道ばかり2日で13時間」も歩いた経験がないので、登って下りるまでどれくらいの運動量なのかやってみるまでは皆目見当が付きません。とにかく「無事に登って下りて、マイカーを運転して家まで帰ること」を最優先の目標にしたため、登山自体を満喫できる余裕がなかったのです。もう1回チャンスがあったらもっと楽しめるのだろうとは思いますが、もう年齢的にムリでしょうね(笑。

でも今更ながら、山の楽しさに少しだけ目覚めてしまった気がします。関東平野の真ん中に生まれて育って、大人になった当初は海に憧れてたまたま就職して住んだところが海の近くばかりだったので海は満喫できたのですが、この歳になって山に心惹かれるとは。

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(犬をあやしているお母さんに見えませんか…?)



以下、実際に登って感じたことを、自分の記録と誰かの役に立つかと思い、記します。

・良い装備は人間の能力の低さをカバーする。靴は足首まできっちりと締まる登山靴を使わないと、あっという間に靴底が劣化したり、側面が破けたり、足首をひねって捻挫の原因になる。ウエアは最近の高機能素材(水着のように体に密着し、伸びる)を使わない手はない。汗を吸ってすぐ放出する。体温の乱高下を防ぎ、パフォーマンスを長時間維持できる。ヨーカドーの1,500円のスポーツアンダーウエアと、専門店に売っている5,000円のアンダーアーマー社のウエアは全然快適度が違った。

・靴下は何種類か試したが、高ければよいというものでもなかった。THE NORTH FACEの1足1,700円のものより、中国のあまり知らないブランドの1足600円の靴下の方が疲労が少なかった。但しいずれにしても登山用の「継ぎ目のない縫製」であることは大事。

・ハイドレーションシステム。要はリュックを背負ったまま曲がるホースで水分補給ができるシステム。これがあると「5分間に1口ずつ」というような水分補給ができ、パフォーマンスの維持に役立つ。

・ペットボトルに直接装着できるハイドレーションシステムを使ったが、使用済みペットボトルの多さには閉口した。山小屋でペットボトル飲料は買えるが、その場で飲みきるものではないため空きボトルを回収してもらえず、下山時にはリュックの1/5くらいは潰した空きペットボトルで埋まってしまった。もしかするとハイドロバッグを持参して、山小屋で買ったその場で中身を持参したバッグに移し変えると空いたペットボトルを回収してもらえるのかもしれない。

・防寒着として手持ちのパタゴニアの羽毛に似た化学繊維が詰まっているジャケットを持っていったが、元々登山用ウエアだったので、コンパクトに畳めてとても助かった。但しご来光を見る際と、夜間トイレに起きた際に少し着た程度の使用頻度で、他は高機能素材の半袖トレーニングウエアか、その上に薄手の長袖のウエアを1枚羽織る程度で充分だった。なお5合目の気温=20度、山頂の気温=5度程度。風があると体感気温が10度下がるらしい。

・但し半袖のウエアというのはちょっと失敗で、日焼けの面で、長袖にしておけば良かったと少し後悔した。長袖にしても高機能素材であればそれほど体感温度は変わりないはず。

・雨カッパのズボンは登山靴を履いたままで脱ぎ着ができるものがよいと感じた。雨降りはじめの岩場で登山靴の着脱は無謀。

・山小屋はとても狭いので、荷物の整理は満足にできない場合がある。

・実は持参した行動食(カロリーメイト、ナッツ、キャラメル、ビスケット)にはほとんど手をつけなかった。途中で食べたのは塩分チャージタブレットと、ツマにもらった一口羊羹くらい。にもかかわらず、エネルギー切れを表す「シャリバテ」という症状がどうなるのか体感できなかった。元々エネルギーを皮下に溜め込んでいる体型なのでシャリバテなんてないのか…?

自覚症状としては、強度の脱力感を伴う疲労感、ふらつき、足がつる、のぼせ、立ちくらみ、頭痛など。

→頭痛以外全部出てるんですが…シャリバテだったのか…?

・下りの砂埃が多いエリアはマスクとサングラスがしたかったのだが、マスクをしたまま息を吐くとサングラスが曇ってしまい実用にならなかった。職場の元クライマーに確認しても、「それは解決方法がない」とのこと。


使用した飲み物の合計です。
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実は下り道の7合目付近で私の分の水分が枯渇してしまい、少しツマに分けて貰いました。山頂で水を1本買っておかなかったのはミスでした。水分消費量は体重に比例し、また、ツマと私の体重差は2倍以上あるので、明らかに私の水分が足りていないことが分かりました。今更。


最後に、費用を総括します。

できるだけ手持ちのものを活用しようとしましたが、やはり山用を謳われているものはそれなりに性能が高いことを痛感しました。

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こんなものです。「購入したが使わなかったもの」は、練習の段階で使用してみて、なんか動きにくいとか、擦れて痛いとか、そういった理由で本番では使わなかったものです。
個々の金額はそれほどでもないのですが(リュックとかストックは安い方だと思います)数があるので結構かかりました。まぁ1回こっきりのものでもなく、防災用品兼ねられるものもあるので、これからも山歩きを趣味にするのであれば少しは減価償却できるでしょうか(言い訳)。もう体力の限界を攻めると言うよりは、岩の少ない、涼しい山を歩いてみたいですね。



   

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山小屋にチェックインした際に、翌日の計画を尋ねられました。山頂でご来光を目指すなら、1:00AMに起こしてくれるのだそうです。いや、自分はここでご来光を見てその後登頂したいですと告げると、それでは4:10頃に起こしますねと言われました。

…まぁその後山小屋のの情報管理ミスで1:00AMに起こされたんですけどね!(ぉ

もっとも、そんなに熟睡できていたわけではないので、起こしに来たスタッフに「ワタシハサンチョウゴライコウデハナイデス…」「は?」「サンチョウご来光ではないデス!」「聞こえないんですが」「山頂ご来光組ではないです!」と告げ二度寝。

とはいえ周りはほとんど山頂ご来光組のようで、ワサワサと起き始め、9割くらいの人は1:00に起きて出掛けていったでしょうか。

4:10にもう一度スタッフが起こしに来たので改めて起床。荷物をまとめてロビーに降ります。左足の様子は…ジンジンします。でも、痛みの総量は昨日の9割くらいにはなっている感じ。熟睡できなかったとはいえ、全身的にはだいぶ体力が回復しています。高山病の頭痛、めまいなどの症状も出ていません。ツマの方は予めタイレノールを投入していたようで高山病の頭痛が起きているかどうか判断付かず(;´Д`)それでいいのかツマよ。

だいたい、昨日のケガをしてからここまでの距離よりは、ここから山頂までの距離の方が近いし、まぁ行けるだろうと、山頂を目指す腹を括りました。

ロビーで昨晩支給された冷たいけど味わいのある朝食を頬張っていると、山小屋スタッフから拡声器で「ご来光です!」のアナウンス。


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雲海の向こうの日の出。飛行機の窓越しでは何度も見たことがありますが、ガラス越しではなく見る風景は感慨深いものがあります。

持参したリポビタンDを一気飲みして、山頂を目指します。
ここから先は頂上までラストスパートで余裕がなく、写真がありません(ぉ

ただ、本当に頂上までもうすぐの赤茶けた土の上に、ところどころグッタリと座り込んだり、横たわったりする人がちらほらいました。高山病なのでしょう。年齢、性別、国籍関係なしです。幸い私もツマには何の症状も出ませんでした。先人の教えに従って、五合目と本八合目で時間を取って高地順応をしたのが効いてたのかも知れません。


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山頂に着きました!3,720m!
本八合目からは通常90分で着くことになっていますが、120分かかりました。
この写真はツマ撮影。私だったらあと1歩左に寄って撮るのに…というのは帰宅後の今だから言えること。このときは写真を撮る元気はもうありません。

でもこの雲の上にいる感覚は…これは山頂に(働きながら)住んでしまう人がいるのも分かる気がします。


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通りすがりの人に撮って貰いました。


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本当の山頂(3,776m)を経由するお鉢巡りはするつもりはありませんでしたが、山頂に行ったら、これは見たかったです。山頂火口。飛行機の窓越しでしか見たことありませんでしたが、これもダイナミック。


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山頂ではツマが御朱印帳もらったり、記念品買ったり、ご褒美のコーラ飲んだりと1時間ほど過ごして、下山に入ります。ただいま時刻8:20…計画より10分早いので、12:45に5合目に到着すれば計画通りです。吉田ルート下山道は上りのルートと異なりブルドーザー用道路でもあるので、ところどころこうしてキャタピラの跡があります。


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少し離れたところに登山道が見えます。中央に豆粒のような人が見るのが見えますでしょうか? 昨日左足をケガしたのはおそらくこの人がいるあたりです。

下りは単調な下山、そしてやたらと砂塵まみれになるのでRX100M3は出せません。高度を確認したiPhoneはジャリジャリになっていました。腕の肘の内側のシワにも砂塵が食い込んでスジになるくらいホコリっぽいです。

前を歩く人次第で舞い上がる砂塵の量が全然変わってくるのですが、なんかやたらとホコリ立てて歩く人っているんですよね。外人とかウエーイ族に多い気がしますが。そういう人に追いつかれた場合はちょっと小休止してやり過ごします。

マスクはもちろんしていましたが、サングラスが併用できないのは困りものでした。マスクから吐いた息でサングラスが曇ってしまうのです。結局、サングラスは使用を諦めました。マスクの方が重要だと思ったので。


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12:50、五合目に帰ってきました!帰りは所要4時間半。平均よりは遅いですが計画通りでした。六合目から五合目に行くルートがなだらかに上り坂になるので、意外とキツかったですね…。

山頂をこうして振り返って、あそこから降りてきたんだなぁ…というのは、不思議な気がします。

観光地と化している五合目の売店で買った「こけももソフトクリーム」の美味しいこと美味しいこと…。思わず2本食べてしまいました(;´Д`)


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もう1本、反省というか、総括の記事を書きたいと思います。


   

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一生に一度は登ってみたいという単純な動機で、富士山に登ってきました。子供が自分たちで留守番できるようになってから夫婦で行こうと思っていたのですが、結局最後の最後に心配になってしまい、ツマの実家に子供たちを預かって貰うことに。子供たちを預かって貰えるなら、もうちょっと若いときに行けたなぁ…とは思いましたが。

ルートは初心者向けの吉田ルート。とは言っても登山の類いであることは間違いありません。ハイキングとは違う、ということを後で実感することになります。


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近所の急な坂道や高尾山で装備の確認、大山でペースの確認とそれなりに準備は進めてきたつもりでしたが、こうして毎日通勤ルートから眺めている日本最高峰の山に挑戦するというのは不安が先に立ちます。「こんなの登れるのかよ」と。ひいひい言った大山の実質的に3倍の高さを登るわけですからね。

先日のブログでも書きましたが、初心者成功率50%とも言われているので、山小屋を予約した本8合目で引き返すのも充分アリだなと思っていました。

計画としては、吉田口5合目で1時間ほど身体を気圧に慣らした後、11:30に出発、7時間かけて18:30に本八合目の「富士山ホテル」に着く予定でした。通常は5時間、早い人で4時間未満らしいのですが、私は標準時間の1.5倍くらいかかるし、先日先に登頂された某女史もツアー参加で7時間だったとのことで、それくらいが目安になるのかなと。


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さて、TV等でお馴染みの観光地っぽいスタート地点で昼食(私が豚丼、ツマが牛丼)をとり、保全協力金1,000円/人を払って登山道に入ります。最初のうちはご覧の通りちょろいものです。こんな緩い斜面を1時間ほど歩くと六合目に着きます。


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六合目から7合目はやや傾斜がきつくなりますが、それでも日常の生活圏でもこれくらいの傾斜の坂は普通にあると思います。ただ距離が長いだけで(笑。


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七合目を過ぎると一気に登山っぽくなります。大山で似たような岩道を経験しておいて良かったです。が、その一方で私の準備不足が露呈したのがここで、火山石の特性を頭に叩き込んでいなかったんですね。道半ばまで来たところで、赤色の火山石がとても脆いことを知らずに、うっかそれを足がかりに石段を登ろうとしたところ、

「バキッ!」「ブリッ!」

という音を立てて左足を踏み外しました。ちょっとちょっと、いま、音が2回なったよな? 1つ目の音は岩が砕けた音、でも2つ目の音は明らかに自分の左足から出たよな? いやぁ切れた、何か切れたぞコレ。やっちまった…と、6合目の手前ですれ違った、グッタリとして馬で下山してきた親子の姿が頭をよぎりました。ああ、これはもう終了のお知らせ、残念だ。8合目に到達することなく、ここで馬のお世話になるなんて。いやでもまてよ、馬だってこんな岩場に来れないだろう? ここからどうやって馬が来られる場所まで行く?

にしても、悔しいなぁ…
こんなところで、文字通り足元をすくわれるなんて…

左足のふくらはぎはすぐに腫れ上がり、明らかに右のふくらはぎとは別の太さになっていました。しかも固くて熱を持っており、見るからに尋常ではありません。

が、恐る恐る左足を動かしてみると…動く。超痛いけど動く。やった、切れてないぞコレ。荷物から「フェイタス」(よく効く湿布)を取り出し、患部に貼り付けまくりました。足首を伸ばしたり縮めたりしなければ何とかなりそう。とりあえずこれで今日の宿まで行って、そこで考えよう。

にしても、「勇気ある撤退」ってなかなかできないものだなぁと思いました。

集団登山客の最後尾について、登って、でもペースが上がらないのですぐに置いていかれて、次の集団に飲み込まれそうになると待避スペースでやり過ごして…を繰り返します。


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振り返れば、結構えらい高さまで来ていました。ところどころ、「ここで目眩を起こしてフラついたら絶対落下して死ぬ」というところも何カ所もあり、やはり毎年たくさんの登山者が来ていても山登りは山登りなんだと言うことを実感させられます。

なお今回のお供にしたカメラはSONY RX100M3。当初絶対にEOS 5D4 + EF 16-35mm f/4L IS USMを持って行くつもりだったのですが、練習の過程で「荷物が1キロでも軽いことの重要性」と、「どうせ息が上がってしまってカメラを構える気にもなれない」ということを学び、RX100M3にしました。ちょっと砂埃には気を遣い、そういった場面では砂を噛むのを恐れてあまり撮影できませんでしたが、結果的には、主に重量の面で正解でした。まぁ1.5kgのカメラを持って行くなら、オマエが1.5kg減量すればいいじゃないか、というロジックも成立するような気もしますが…。


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他の登山客の「虹!」という声で振り返ると、下界から伸びる虹が。このあと通り雨に襲われてカッパを着る羽目になるのですが(もちろんRX100は使えません)このとき「カッパのズボンは登山靴を履いたまま履けるものでないと困る」ということを学びました。雨の降り出しはじめに急斜面の岩場で登山靴を脱ぐなど自殺行為です。もし脱いだ靴がコロコロと転がっていったら…。

たまたま雨がそれほど本降りにならなかったことと、近くにいたツアーのガイドさんが「カッパの上着だけでいいでしょう」と判断したのを信じて、上着だけでやり過ごしました。

ここから間もなく日も暮れ始め、やっとの思いで着いた八合目の山小屋の前で休憩していると、別の外人向けガイドさんが「Please prepare the headlight.」と指示しているのが聞こえました。私の宿は本八合目、八合目からさらに30分以上…標高で言えば330mほど登らねばなりません。そうか、ここで用意しておかないと見えなくなるのかと、ヘッドライトを装着して再出発。計画ではご来光を宿泊する本八合目の山小屋で見る予定だったのですべてが順調ならヘッドライトの出番はなかったはず。まさか出番が来るとは思いませんでした。

30分ほどの筈が1時間かかったと思います。暗いし、空気が薄くて呼吸しても体力回復しないし、左足は痛いし。ツアーガイドさんが「深呼吸して!深呼吸の数だけ前に進める!」と言っているのが聞こえ、それに習ってひたすら深呼吸しながら登ります。このとき、普通に深呼吸するより、笑顔で深呼吸した方が前に進めるような気がしたのですが、気のせいでしょうか。数名のグループが冗談を言いあって笑いながらスイスイ上がっていくのを見ると、笑顔のパワーってあるんじゃないかなぁと感じました。一人でニコニコしながら(;´Д`)ハァハァ言ってんの、暗闇でもなければ怪しすぎますけどね。


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本八合目の山小屋「富士山ホテル」に着きました。標高3,400mです。左足のケガもあり、11:30出発で19:30着ですから、8時間かかりました。

ここは「日本一標高の高いクレジットカードが利用可能な店」でもあり、宿泊代を払うと宿のルールの簡単な説明があり、夕食と翌朝の朝食が出てきます。名前はホテルですが、山小屋です。当たり前ですがお風呂なんかありません。宿泊客でもトイレは1回200円です(山小屋によっては宿泊客はトイレ何回でも200円のところもあると聞きました)。

七合目や八合目ではなく本八合目の山小屋を選んだのは、初日に少しでも標高を稼いでおきたいという思いからでした。結果的に正解だったのか、失敗だったのかは判断が難しいところです。まぁ終わってみれば悪くなかったと思います。

ツマに「明日、山頂に挑戦するか、ここで下山するかは、明日の体の様子で決めさせて欲しい」と話をしたところ、「ここで下山するのは残念すぎる」とやや不満げな様子。だよなぁ。気持ちは解るけど、山の下に停めてあるマイカーに乗って無事帰宅するまでが自分のミッションだからなぁ。救急車で運ばれちゃったらクルマどうするの。

夕食は富士山山小屋の定番、カレー。ウインナーとハンバーグと、お水が350ml付きます(下の写真の水は別途買ったもの)。翌朝の朝食はオニギリが一般的と聞いていたのですが、開けてみたら普通の白飯に漬物、牛しぐれ煮のレトルトパウチ、ふりかけ+おーいお茶200mlでした。意外とオニギリより悪くないかも知れません。


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夕食と一緒に渡された朝食には、ドコモの広告入りのマスクが付いていました。下山時は特にほこりっぽいために、マスクをどうぞという配慮でこれはこれで嬉しいのですが(まぁ自分でもマスクは持参しましたけど)、「ドコモのネットワークは富士山でもさらに速く快適に」というのは、繁忙期の富士山では大ウソだと思いました。五合目からここ本八合目まではネット回線はほぼ実用にならず、これ緊急電話(音声通話)通じるのか?と心配になるレベル。富士山のガイドブックにもしっかり「富士山では携帯電話のバッテリー消費が激しいので予備のバッテリーを」なんて普通に書いてあったりして、それ電波が届かなくてサーチ動作してるからじゃん!とツッコミたくなりました。

食事の後、寝床を案内されます。富士山の山小屋としては平均的なスペースだと思いますが、横方向には仕切りがなく、高さ方向も1m程度しかない空間に、10人ほどが押し込められます。隣の人との間隔は30〜40cmくらいだったでしょうか。枕が奥なので頭から入って行きましたが、右足を痛めていたこともあり私の身体ではUターンできず、頭から出ることはできませんでした。布団は思ったほど臭くはありませんでしたが、寝室空間自体には独特の臭いはありました。1人分ですが、更衣室があったのは嬉しかったですね。

このとき時刻にして20:30くらいだったと思いますが、もう早い人は「山頂ご来光」に向けて1:00に起床するために備えて寝ているので、あまり荷物をひっくり返したり凝ったことはできません。汗をかいたシャツだけ着替えて、ボディシートで体を拭いて、左足の湿布を交換して、寝るだけです。靴は専用の袋に入れて寝床まで持って行く方式なので、間違えられる心配はほぼありませんでした。

八合目の宿の前で、ツアーガイドさんが「もし、明日起きて頭が痛かったら高山病ですから、山頂は諦めてください。山頂だけが富士山ではありません。辛い思いして辛い思い出だけでは残念すぎます。富士山にはまた来られるのですから」と言っていたのを思い出しました。どうか、明日起きたときに高山病にかかっていませんように。そして、左足の様子が少しでも改善していますように。ウッ、横になって筋肉の緊張が解放された瞬間に今度は右足が痙った!!くぅぅー!

痙った右足をなだめながら、21:00くらいからウトウトして、23:45頃に喉が渇いてロビーで「なっちゃんオレンジ500ml」を500円で1本購入、飲み干しました。ロビーではスタッフさんが4人ほど残務整理したり雑談したり。外に出てみるとベンチにはたくさんの登山客が座っていました。なに?徹夜登山組なの皆さん?

富士山の山小屋には夜は来ないんですねぇ。
後編に続きます。


  

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