WF-1000Xを電車で使ってみたので感想を書きます。

ノイズキャンセリング(NC)の効果ですが、これはかなり薄いですね。もちろん効いてはいるのですが、オーバーヘッド型のNCと比較すると本当にマイルドな効き方。特に低音側のゴーという音に対してのNC効果が高く、音量控えめでも聞こえが良くなります。但し単体WalkmanのNC機能と比較すると効果が少なめのような気がします。もっともカナル型ゆえ、元々それなりの遮音性はあります。



往復80分ほど電車で使ってみて、この音質はどこかで聴いたことがある…と思ったら思い出しました。往年のソニーのスピーカー、ラ・ボーチェ SS-A5に似ている気がします。なので、ボーカルとかボサノバを聴かせると大はまり。逆にドンシャリ調ポップスは迫力不足になります。

音途切れですが、相変わらず右側(子機側)だけよく発生します。音途切れは2回ペアで発生することが多く、1回の時間はコンマ数秒程度。電車内よりも駅で発生することが多く、iPhoneを操作するとよく発生するような気がします。発生回数は80分で10回程度でした。はっきり言えば欠陥商品レベルだと思います。ケーブルフリーの気楽さで許せてはいますが、今日時点での最新ファームウエアでこれでは、返品する人もいるでしょうね。もう一段階改善が必要だと思います。

ちなみにこのイヤホン、歩行時に使用すると歩行の振動から来る「ビヨンビヨン」という内耳の音がとても酷いです。重量が重いから仕方ないのでしょうが、ちょっと歩行時に使うのも実用的ではないですね。




あと宜しくないのが充電機能付きケースの重量バランス。フタ部分はそんなに重くないと思うのですが、机上でフタを開けた状態で置こうとするとすぐ転倒してしまいます。もうちょっと本体側は重くても良かったのでは。




この謎の突起は「フィッティングサポーター」と呼ばれ、てっきり耳のどこかに引っかかって落下を防止する機能があるのかと思ったのですが、引っかかるのではなくイヤホンが前後方向に傾くのを防止することで結果的に落下しにくくする効果があるようです。まぁ落下防止に効果があることには違いないですが。

なおフィッティングサポーターはサイズがMとLの2種類附属しており、自分の耳に合う方に付け替えます。合う方って、自分の耳に突っ込んだいるところを客観的に見られるわけじゃないしどうすれば…と困るかと思いきや、Lサイズの方を装着したところ明らかに異物感がひどかったので(笑、違和感のない範囲で大きい方を付ければ良いと思います。ちなみにこれ、ぷにぷにした柔らかい素材でできています。

最後にスマホアプリについて。専用アプリを使うと音質の調整ができますが、CLEAR BASSとイコライザの組み合わせ設定がプリセットしかなく、自分では自由に設定することができません。しかもプリセットがいずれも子供っぽい設定ばかりで、使いたいと思う設定は1つもありませんでした。

そんな訳でこの製品、やはり使い込んでもそんなに人にお勧めしたくはなりませんでした。全方位でもう少し完成度が高いと良かったですね。