次のマイカー候補として気になっているクルマシリーズ1(ホンダ編)JADEに試乗してきました。テレビ神奈川「クルマで行こう」で岡崎五朗氏が乗り心地を絶賛していたので試したくなったのです。セールス氏には「買うのは3〜4年後」と言ったら脱力されてしまいましたが、目標となるクルマがなければ貯金に励めないじゃないですか。


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車格的にはストリームとオデッセイの間にあたります。Audi A3より少しだけ大きいボディに3列シートを収めてしまったのが特徴で、都市部のほとんどの立体駐車場に入るように、全高が抑えられています。

グレードはハイブリッド車の高い方、「HIBRID X」です。フル装備すると350万円を越えてくると思います。なお秋頃にはガソリンエンジン車のラインナップが、より安価な価格帯に予定されています。


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運転席。メーターはインパネ奥にあり、通常のメーターがある場所には木目調パネルが貼られています。木目パネル以外の箇所の質感は国産としては標準的で、VW/Audiグループの水準にはもう一歩と言ったところです。メタル調の箇所が太すぎるのがそう見える原因かも知れません。

エアコンのパネルも普通です。どうしてオデッセイはああなってしまった…。(そういえばオデッセイも年末にようやくハイブリッドが予定されているそうです。)


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3列目シートを後ろから撮影。2列目シートはこれでも目一杯、前に出した状態です。


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目一杯前に出した状態での2列目シート。


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A3から乗り換えてもさほど「大きいクルマになった」という実感はなく、ボディサイズ的には違和感がありません。


さて、試乗した印象ですが、確かに岡崎五朗氏が言うとおり、ホンダの乗り心地が新次元に達したような印象があります。タイヤサイズは 215/50R17 と、私のA3 2.0FSIより直径が大きく、10mm幅広です。たぶん7人乗車の荷重を考慮したものと思われますが、まったくバネ下重量の重さを感じさせず、軽やかに回ります。静粛性は市街地走行ではA3より若干静かで、不整路面走行時の突き上げ感は角が取れてマイルド、揺り戻しも少ないです。フィットは初代から一貫して固い印象ですが、ジェイドはその延長ではあるものの、もう少し路面を舐める感じが出ていて、大人っぽい印象があります。

実は私は現行型A3やゴルフ7に乗ったことがないので最新のVW/Audiのシャーシの実力を知らないのですが、市街地走行に限って言えば確かに1つ前の世代のVW/Audiグループのシャーシのレベルは超えているように感じました。

2列目内側にある固定式の肘掛けはちょっと違和感があり、なぜ通常の可倒式肘掛けにしなかったのだろうと疑問が残ります。新しさを演出したかったのかも知れませんが、固定式の肘掛けがあると2列目着座時に少しだけ息が詰まる感じがしました。それに肘掛けが固定式だと2列目に2人乗車+リュックすら置けないじゃないですか…(子供がよくおやつ入りのマイリュックと一緒に乗車するので)。また、3列目はともかく、2列目のシートバックはもう少し高さが欲しいと感じました。

エアコンは操作パネルこそ標準的ですが、乗り出し価格300万円を越えるクルマで左右別の温度調整ができないのは残念です。もっとも、ハイブリッドシステムにお金がかかっているためなのでしょうが。

ブレーキの利きの強さは印象的でした。これも7名乗車の荷重に耐えるためなのでしょうが、ガツンと止まり、鳴きもありません。素晴らしい。

燃費は市街地走行で約17km/L。さすがとしか言いようがありません。

最新のIT装備や自動安全装備が満載で、ハイブリッドで、6人乗りで、350万円というのは、日本車でなければ実現不可能なコストパフォーマンスの良さだと思います。

ただ、3列目シートは追突されたときの安全性に疑問があるのはもちろんですが、あそこに座って移動するのは30分が限度だと思いました。

高速走行していないので最終的な判断は控えますが、乗り心地は市街地走行レベルでは充分合格点でした。あとはこの実用にならない3列目のためにこのクルマを選ぶのか、というところがカギになるような気がします。2列シートで良ければ選択肢は無数にあるわけですしね。でも2列目を目一杯後ろに下げられるという利便性もあるんだよなぁ。

でもこうなってくると、初代〜先代オデッセイまでのパッケージングは貴重だったと思えてきます。