発売から半年も経っちゃったし需要があるのか不明だけど、自分用の記録も兼ねてレビュー。



本体重量は27inchモデルでも10kgを切った。箱には取っ手も付いているが(これはLate 2009も同じ)梱包時の総重量は15kg近いので、電車で買って帰るのは辛い重さではある。

初回起動時のセットアップアシスタントでは、ユーザー登録のプロセスがなくなった。最近はApple IDに紐付けしているようなので、セットアップアシスタント画面では個人情報収集の必要はなくなったのかも知れない。Fusion Drive搭載ということもあり高速に起動し、「♪トウットウットゥル、トウットウットゥル〜」という初回起動時のオープニングムービーがなくなっていることすら当初は気がつかなかった。

環境は「移行アシスタント」を使い、古いMac(Late 2009)から有線LAN経由で丸ごと移した。概ね移行されたが、Java関係の起動時に読み込まれるファイルがセキュリティ云々でエラーが出るようになったのと、ATOKの標準辞書の設定がユーザー辞書のみになってしまったので各々修正した。


左:Late 2012  右:Late 2009

液晶ディスプレイのドット抜けはなし、映り込みは確かに大幅軽減されている。映り込みの様子をLate 2009と比較したのが上の写真だ。Late 2012側の映り込みの少なさがよく解るが、肉眼で見ると映り込みはゼロではない。半分以下になったという印象だ。反射像も2重ではなくなった。

今回のiMacの液晶は全数製造ラインで画質調整されていると聞いているが、試しに環境設定から自分の肉眼でディスプレイの再調整をしてみたところ、確かにデフォルトのプロファイルとの差はほとんどなかった。つまり何年か使って経時劣化してきたときに初めて再調整すれば良いようだ。

ディスプレイの発色は濃厚で、画質には不満はない。内蔵スピーカーの音質はLate 2009からの劣化を感じる部分で、高音から低音まで帯域は確保されているのだが、いかにも小径スピーカーで鳴らしているような「いっぱいいっぱい感」がある。Late 2009の方がまだゆとりがあった。しかしこの薄い筐体から出している音としては至極立派である。

Late 2009からの進化点の1つが「AirPlayミラーリング」のサポート。これによりオンラインサービスに上げていない、Mac内にしかない未整理の写真であっても、MacからApple TV経由で直接リビングのテレビに映すことが可能になった。我が家(2LDK)のリビングのテレビはMac机から見える位置にあるので、家族団らんや来客時にみんなで何か見たいときにはとても便利。ただ、フレームレートが少ないし遅延もあるので、動画鑑賞は実用的ではないかも。

DVDドライブはなくなったので、手持ちのポータブルBlu-rayドライブを使うときだけ繋いで使うことにする。筐体が薄くなったので後面端子/SDカードスロットへ手が届きやすくなったのは思わぬ収穫。

マイクは天面に1つだけかと思ったら、背面にもう1つあった。背面のサブマイクで環境騒音を拾うことで、メインのマイクの音質を明瞭にできる効果がある(らしい)。



そうそう、背面の電源ボタンが凹形状になったのは地味に嬉しい。手探りで位置がわかりやすい。

さて、Fusion Driveの実力はどうだろうか。CPUも2.8GHz→3.4GHzになったが、たぶんCPUの進化より、Fusion Driveの効果が普段使いでは効いてくるはず。実際にいくつかのアプリを使ってみても、全体的に速くなったというよりは、いままで引っかかっていたところがなくなった。たとえばアイコンが10回くらいバウンドしていたところとか、延々とレインボーカーソルだったところとかが、軒並み一瞬で完了する。これは快適すぎる。

値上がり情報がきっかけで購入したiMac Late 2012だが、操作中にボーッと待たされる時間が減ったという意味では有益だったと言える。