PowerShot自体キヤノンのコンパクトの中では撮影に対峙する本気度の強いシリーズだが、その中でもさらに本気度が高いPowerShot Gシリーズがモデルチェンジ。今回の目玉は(目玉だけに)撮像素子の大幅なサイズアップで、18.7×14mmという、マイクロフォーサーズに近いサイズのセンサーになっている。当初「APS-Cサイズ」という噂も流れたが、さすがに筐体サイズとズーム倍率を考えれば、そこまでのセンサーサイズにはならなかった。

今まではPowerShot S90/S95シリーズと同じセンサーサイズということもあって、大きく明るいレンズを搭載できること以外の画質差別化を図れずにいた。それが今回、筐体サイズに見合ったセンサーを搭載したことで、S90/S95/S100系より明らかに1ランク上の画質となるだろう。キヤノンはヒエラルキーに割と厳格な会社だと思うが、今回の刷新で「Sとは違うのだよ、Sとは!」というところをより明確にしたわけだ。

個人的な運用面では、EOSを持ち出すつもりで腹をくくればEOSで良く、小さいのが欲しければPowerShot Sシリーズくらい小さいのがいいと思っているので、Gシリーズが介入する余地がない。ただ一眼レフの大きさ重さを(たとえEOS Kissですら)許容できないユーザーが世のマジョリティなわけで、だからこそミラーレス機が順調にシェアを伸ばしているのだと思う。

別の見方をすればミラーレス機の小型化が著しいので、このボディサイズでは従来の小さなコンデジと同じセンサーを積んだままでは、戦闘力がなくなってきたのではないかという事情も察することができる。

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