実家に帰省している間に、母校の中学校を見に行った。敷地に入るのは何十年ぶり。父が有志で剣道の練習をしており、その練習場所として中学校の武道館を借りているので、練習を見に行ってみたのだ。

しばらくぶりに見た中学校の校舎は、新しくなっていた。もし新しくなっていなければ築40年以上なので、耐震的にかなり怪しい。補強という手もあるが、まぁ、建てかえは当然だ。それより驚いたのは、その大きさ。校舎全体がコンパクトになっている。何このモダンな幼稚園?と言うのは言い過ぎだが、体積比で旧校舎の半分程度になっているように見える。

一体、今は何人の生徒がここに通っているのだろう?と興味を持ち、ググってみて驚いた。私が通っていた頃の4割しかいない。日本平均で見れば30年前の子供の数と比べると「4割減」程度のはずだが、ここは「4割減」ではなく「4割」。これでは大きい校舎は要らないはずだ…。

中を伺うと怪しいもの扱いされそうなので止めたが、ここを手がけた建築会社のレポートによると、教室は間仕切り自由なオープンスペースになっているらしい。話だけ聞くとカッコイイし、たまに聞くレイアウトだけど、隣の先生の声が筒抜けで、集中できるのだろうか?

旧校舎にあったシンボリックな「天体観測ドーム」もちゃんと新校舎に移設されていた。この中学校はひときわ人里離れたところにあるので、天体観測には最適。旧校舎では「望遠鏡が柱の上になく、近くを人が歩くと星が揺れる」という致命的な欠点があったのだが、当時その問題を指摘した理科の先生の意見は、申し送りされていないようだった。(その理科の先生、ご健在なら62歳か…想像が付かないな…)

それどころか、屋上にあるドームの1/3ほどが屋上からはみ出しており、ますます振動的にどうなのよ?という作りになっていた。機会があったら入ってみたいなぁ。当時のニコン製の150mmの望遠鏡は、微妙に星に追いつけなかった赤道義と合わせてさすがに買い換えられていると思いたいけど、今の中はどうなってるんだろう。

天文クラブに属していた私は、あのドームでの徹夜の観測の非日常感が好きだった。学校の屋上に、カメラと、望遠鏡と、カップラーメンと、オールナイトニッポンがかかっているラジオ。今でこそ徹夜は願い下げだけど。




…卓上タイプ!?