WR8700N


「AirMacを300Mbpsモードで繋いではみたものの」の続き。

ONU(PR-S300SE)とWR8700Nの間が頻繁にリンクダウン・アップを繰り返していると書いたが、そこまで至らなくとも、ネット利用中に突然通信が「引っかかる」ような現象も頻繁に発生するようになっていた。

ONUとWR8700Nの間のケーブルを何種類かのCAT 5e〜6eケーブルに交換してみたが、現象は変わらず。但しリンクダウン、アップを繰り返しているうちにGbEから100BASE-Tモードに切り替わってしまうと、それ以降は安定して通信できる。

そんなとき、Atermシリーズのある特性を思い出した。Aterm WRシリーズの多くには動作モードとしてAPモードとRT(ルータ)モードがあり、ONUを使用する場合には二重ルータになってしまうのでRTモードは使用せず、APモードを使用する場合が多い。APモードは単純にAtermに接続されているLAN機器の通信をワイヤレスで飛ばすモードだが、このときAtermのWANポートとLANポートの動作上の区別はない

つまり、WR8700NのAPモードでは、ONUを必ずしもWANポートに接続しなくとも、LANポートに接続してもほぼ同じ動作をする。

ということでWR8700NからWANポート経由でONUに接続していたラインを、WR8700のLANポートからに差し替えてみた。結果はNG。同じように通信の引っかかりやリンクダウン・アップが発生してしまう。この手もダメか…。

これと平行して、購入元のジョーシンに申し入れていた初期不良交換依頼の話が通り、代替機が送られてくることになった。


■2台目のWR8700N

結論から言うと、2台目のWR8700Nを設置しても快適な環境は得られなかった。WANポートにて頻繁なリンクダウン・アップはなくなったものの、時々ネット接続が引っかかる現象は相変わらずだ。通信が始まってしまえば無線ながら100Mbps以上のスループットを叩き出すものの、接続が始まるまでが30秒なり1分なりかかる場合がある。

そんなとき、AtermのWebページを眺めていて、ある記述に気がついた。

WR8700N「機能別設定ガイド」
WANポート伝送速度固定設定:インターネットには接続できているがブラウザに表示されるページの表示速度が異常に遅い(あるいは表示されない)、AtermのWANポートに繋いでいるモデム/回線終端装置などを取り替えたら通信が不安定になった。このような状態を改善できる場合があります。

これだ。この症状に近い。
どんな方法が書いてあるんだろうとクリックしてみると、WANポートを100BASE-T(半二重)モードに固定設定して使えNECの負けを認める記述が…。

おいおい、WAN側がGbEか100BASE-Tかっていうのは、無線LANのスループットに3〜4倍の差を与えるんだよ。相手がGbE機器でもGbEモードで通信できないことがある、って言ってるも同然じゃないか。そんなことはカタログWebページにも注意書きされていないじゃないか。WAN側がGbEで通信できないのであれば、わざわざWR8150NからWR8700Nに買い換える必要はなかったんだよ。

非常に残念な気持ちで、1台目でも試した「LANポートにONUを接続する方法」も試してみた。


■2台目のLANポートはGbEで安定動作

ところが2台目のWR8700Nではこの接続にてGbEモードでビシッと安定。既に48時間以上が経過しているが、スループット100Mbps以上を叩き出しつつ、通信の引っかかりは全くない。

いよいよダメだった場合の解決法として、バッファローの同等機種も検討するにはした。最近のバッファローは仕事でも使っており悪くないかなと思っていたものの、ネットで検索してみるとWR8700Nに負けず劣らず不具合事例が引っかかった。ネット上の不具合情報なんて私が問題なく使ってきた過去のAtermシリーズでもごまんとあるので環境依存だったり確率問題だとは思うが、いざWR8700Nの不具合に引っかかってしまうと、バッファローに乗り換えてもなにかありそうな気がして気が進まなかった。

なので何とかWR8700Nを使いこなす方法をいくつか模索していたのだが、LANポートにONUを接続する方法がダメだった場合、ネットで見つけた方法なのだが、NETGEAR GS105v3(Amazon)でONUとWR8700NのGbE通信を叩き直してやるという方法もあることが解った。

しかし結果的にはそこまでやらずに済んだと言う訳だ。良かった良かった。


■まとめ

2台のWR8700Nを見た限りにおいては、本機のLAN/WANポートはGbE通信に対して非常に品質が悪い。GbEが登場してから既に何年も経っているのに、そして世の中には何メートルもケーブルを這わせても問題なくGbE通信ができる機器がほとんどだというのに、たかだか30cmくらいの結線ですら相手機器によっては安定してGbE通信ができないのは、今では地雷としか言いようがない。

とはいえ、一度GbEモードで動いてしまえばスループットは高く、AirMacクライアントで使う場合でも300Mbpsモードでリンク、対AirMacクライアントで実効速度100Mbps以上を出す親機は他にない。(もしかしたらバッファローにもあるのかも知れないが、対AirMacクライアントで100Mbps以上の速度が出たというレポートは見あたらなかった。)

今回私が使ったONU(PR-S300SE)もWR8700Nもかなりメジャーな機器なので、この組み合わせで使っている方も多いだろう。それでも類似の問題が大騒ぎにならないのは、なにかの拍子にみな100BASE-Tモードでリンクが成立してしまっているからなのではないかと思う。本来ならもっと速度が出るはずなのに、何度か勝手にリンクダウン・アップを繰り返しているうちに不具合も出ない代わりに速度も出ない100BASE-Tモードに落ち着いてしまっているのではないだろうか。

pr-s300se_nowstatus

リンク速度はPR-S300SEの管理画面「現在の状態」から確認できる。私はLAN4端子にWR8700Nを接続しているので、上の図から1Gbpsモードで接続しているのが解る。


今回遭遇した問題はAtermシリーズのサポート窓口に情報提供したいところだが、メールでの技術的な問い合わせは受け付けていないのだという。電話で長時間待たされるのも面倒だ。この記事がNECアクセステクニカ社の目に止まって、将来の製品では改善がなされることを期待したい。

【追記 2011.5.7】WR8700Nに続いて、ONU PR-S300SEも交換してみる