これも先月の話ですが、GR DIGITAL II(以下GRD2)を売却して、GR DIGITAL III(以下GRD3)を購入しました。似て非なるカメラなので本当はGRD2も手元に残しておきたかったのですが、経済的に許されなかったのでやむなく。

GRD2は本当にいいカメラでした。リコーカラーとでも言うべき独特のカラー(特にホワイトバランスが独特)と、単焦点の28mm GR LENSがもたらす、ソフトウエア歪み補正に頼らない端正な描写は、ときに暴れん坊ではあるものの、条件がハマったときの爽快感はとてもコンデジとは思えませんでした。

そんな感触を残しつつGRD3を触ってみると、レンズのF1.9への大口径化に伴い僅かに大型化したボディの握り心地がちょっと違います。個人的にはGRD2の方が握りやすかったように思うのですが、レンズが大口径に改良されているようなので我慢できる範囲です。電源を入れて数カット撮影してみると、動作がワンランク機敏になったことに気がつきます。液晶画面の高精細化に伴いメニューやOSDの文字も小さくなり、情報量は増えたのですが視力的に辛い方もいるのではないかと思います。


YOKOHAMA HAKKEIJIMA
カラーモード:ビビッド


Canon PowerShot S90/S95と同じと言われるソニー製の1/1.7インチ1,000万画素CCDは現在のコンデジ用としては設計のバランスのレベルが高いセンサの1つ。バックエンドの回路が改良されたせいもあると思いますが、本機では過去と比べるとリコーカラーが薄まっているように思いました。リコー機とは思えないほど、安定感のあるショットが量産できてしまうのです(←失礼(笑))。「なんか物わかりのいいオトナになっちまって…」という思いもないことはないですが、まぁここはポジティブに受け止めましょう。撮影者の思いを曲解しないことは、それはそれでいいことです。


小エビのサンドイッチ(IKEA)
うっかりISO800で撮影。でもなかなかの描写。
奥の方のボケも綺麗でさすが単焦点。


GRD2譲りの操作系は本当に撮影時の使いやすさがよく考えられていて、強力なカスタマイズ機能と併せることで、撮影時に弄りたいパラメータに少ないストロークでアクセすることができます。特定の一機能にショートカットでかんたんにリーチできる、くらいなら最近のコンデジでも普通にできますが、この操作系の凄いところは、複数の機能のいずれにも少ないストロークでアクセスできる点にあります。設計した人も相当使い込んでるな、ということを伺わせます。


YOKOHAMA SKY WALK
看板の文字が透けているように錯覚します。


ただ、工場出荷時の割り当てがこれまたよく考えられているため、私は一通りカスタマイズした後、結局、工場出荷設定の割り当てに戻してしまいました(笑)。初めてGRD3を使われる方は、まずはこの操作系をカスタマイズせずにある程度使い込んでみることをお勧めします。


YOKOHAMA SKY WALK


建築物や構造物はGRDが得意とする分野の1つだと思いますが、真っ直ぐなものが真っ直ぐに描写されるのは本当に気持ちいいです。また、リコーカラーの青から紫にかけての色調は大変私の好みです。


TOKYO SKY TREE


このカメラの難点を挙げるとすれば、液晶のバックライトの明るさがやや不足気味で、明るい屋外でのフレーミングに難儀することがあること。ちょっとソニーのハンディカムとか見習って欲しいと思います。オプションで光学ファインダーが用意されていますが、高いので手が出せません。

しかし、ここまで「持つだけでどこかに撮影に行きたくなる」カメラはそうそうないと思います。不思議な魅力を放つカメラです。

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