いくつかのレビューは「HDR-CX550Vを選んだ理由」に書いたので、それ以外に気がついた点をレビューしたい。


cx550v-1

まず大柄の黒いボディだが、見た目にほど重量は重くなく、ツマなど初めて持ったときに「軽い?」と感想を発したくらい。実際は現行のカメラでは重い方なのだが、大きさから想像できる重さほどはないと言うことだろう。男性の手にフィットするある程度の大きさがあるので、超小型モデルよりはむしろハンドリングは良いと感じるケースがあると思う。


cx550v-2

付属のバッテリーは容量削減が行われ、ついにラインナップ中の最小サイズNP-FV50が付属することとなった。それでも消費電力削減により、CX12より録画可能時間が延びているのはたいしたものである。ファインダーの長さはNP-FV70までのバッテリーサイズが許容範囲で、最も大型のバッテリーNP-FV100はファインダーが著しく覗きにくくなる。付属のNP-FV50では1時間弱しか撮影できないので、イベント撮影であれば「オトクキット」ACC-TV7が必要になるだろう。「オトクキット」には単体の充電器が付属するので、本体充電機能と併用すれば、イベントの前の晩に充電を始めるようなケースでも、バッテリーが2本同時に充電ができて便利だ。


cx550v_lcd

液晶はCX12と比べると明るく大きくなり、屋外でも非常に見やすい。上の写真では明るさの差が少ないように見えるが、実際はかなり見えやすさが違う。液晶が見えにくい状況があるからファインダーが欲しかったのに、ファインダーが付いたら液晶も見えやすくなったというのはある意味皮肉である(笑

cx550v-shiyakaku

液晶は視野角も結構改善されている。CX550Vの液晶は斜めからの鑑賞にも耐えられる。

cx550v_finder

液晶が素晴らしい見え方な一方で、ファインダーは最低限度レベル。倍率も小さく、接眼ゴムも小さい。伸びるだけで跳ね上がらないので、低く構えるのも難しい。なお、液晶が閉じている場合はファインダーの伸縮が電源スイッチを兼ねる。使いやすいと思うが、不用意な電源入れっぱなしが起きないか気になる。


cx550v-miniAB

CX12ではUSB接続する際にドックが必要だったが、廃止され、USBケーブル直挿しができるようになったのはいい。本機は外部HDDに映像データを書き出すUSBホスト機能もあるので、本体側USB端子はちょっと変わった形の「ミニAB」タイプであるが、この端子に従来のミニBコネクタが直接接続できる。


cx550v-storobo

ストロボの収まりも良くなって、CX500V/500Vより違和感のない見た目になった。ユーザーの方には申し訳ないが、個人的にはCX500V/520Vのストロボの納め方はちょっとカッコワルかったと思う。


cx550v_sankyaku

本機には最近流行のシーン認識技術が搭載されており、逆光や人物、風景などの種別は勿論、三脚に載っているかどうかまで自動検出して手ぶれの補正量を変えるという技術が搭載されているのだが、これは「iAUTO」モードでのみ有効となる。「iAUTO」は本体のワンボタンでON/OFFF可能で、ほとんど常時入れっぱなしで差し支えないと思うのだが、一度マニュアルダイヤルで何かを調整するとiAUTOモードが解除されてしまい、その後明示的に「iAUTO」ボタンを押すまで有効にならない。


cx550v_iauto

パパがマニュアル調整ダイヤルで遊んだ後、ママが撮影してきたら、iAUTOが有効になっておらず性能が引き出せなかった…というケースは、少なくとも我が家では起きそうだ。ママにいかに「iAUTO」ボタンの存在を覚えてもらうかがポイントと思う。ただ、iAUTOボタンはトグル式のため、「撮影前には必ず押す」という習慣ではNGだ。画面を見て、iAUTOが有効になっているか確認する必要がある。個人的には「電源ON時にiAUTOで優先起動する」という設定項目があると良かったと思う。

静止画の画質は1,200万画素もあるのだが個人的には評価していない。撮像素子が小さいことから来るノイズが動画の場合は動いているのでさほど気にならない場合でも、静止画の場合はノイズも止まって見えるので気になる。ブログ掲載用途か、せいぜいL判プリント止まりであれば活用できるが、大画面パソコンで鑑賞するのは辛いだろう。

アクティブ手ブレ補正をOFFにした、従来同等の手ブレ補正モードはあまり使うことがないと思うが、このモードでテレ側にズームすると、被写体が奥行き方向にユラユラする現象は、私が今回2010年8月末に購入した個体でも改善されていないようだ。もっとも、使うとすればアクティブレブレ補正をONした状態か、そもそも手ブレ補正自体をOFFした状態だと思うので、実用上はあまり問題がないと思うが、やや気になる挙動ではある。

絞りが円形になって背景のボケが美しくなったのは評価できるが、パパママカメラにそこまで要求するか?という過剰感もある。でも作品作りにも使えるという懐の深さは、NEX-VG10まではちょっと大袈裟…というユーザーには訴求力は高いだろう。


cx550v_mic_in

各部端子類のフタはゴムなどを使っておらず、シャキシャキ、パチパチ開閉できる、樹脂製のシッカリしたフタで固められているのは使っていて気持ちのいいポイントだ。ただ個体差なのか、天面のホットシュー部分のフタはやや堅かった。


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また、DC in端子のフタの突起が大きく、ハンドグリップから手を外す際に親指が引っかかって開きやすいのが気になった。


cx550v_mc_slot

また、メモリースロットのフタが90度開かないのも「おや?」と思ったポイント。破損防止のためだと思うが、せめて90度までは開いて、120度くらいまで応力で開くようにした方が使いやすかったと思う。まぁいずれも細かいところの話ではある。マイク端子すらスライドでフタが開くのには驚いた。


cx550v_map

GPSを内蔵し、撮影した場所を地図で確認する機能が付いている。GPS測位は物理的なスイッチが付いており、OFFにすることもできる。地図データはカメラに内蔵されている。

内蔵メモリは64GBもあるが、万が一の故障時にソニーがどのくらい内蔵メモリに記録されたデータを大事にしてくれるかは未知数なので、個人的には内蔵メモリは緊急用やお試し用途とし、普段はメモリーカードに撮影したい。たぶんこれだけ内蔵メモリ搭載機が増えると、修理時に内蔵メモリが消えるとなると大クレーム必至なので、何らかの対策は講じていると思うのだが、タテマエ上は修理時はデータが消えることになっているので、自衛策は必要だろう。

色々細かい話を書いたが、HDR-CX550Vは、映像のプロではないユーザーが普通に使うカメラとして、現時点で最高峰の1つだと思う。裏面照射CMOSの画質など、やや疑問点がなくはないし、個別の画質、機能、性能で見たらこれより優れるカメラはNEX-VG10やPanasonicのTM700など、他にもあるのは確か。しかし撮影時の気持ちよさ、撮影された動画のスムーズさ、AE/AF動作の違和感の少なさ、使い勝手の良さなどをトータルで俯瞰すると、これだけ高次元で一台に収まっている機種は他になく、非常にレベルが高い。

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