みんぽす

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ご存じの方も多いと思うが、ロジテックは最近フランスのLaCie社のHDDを取り扱うようになり、自社ブランドのHDDは店頭売りはしなくなってしまった。しかしロジテックブランドのHDDが消滅したわけではなく、今後は同社のマジメな姿勢を生かした高品質な製品を、ネット限定で販売していきたいのだという。

さて、今回紹介されたHDDは、以前のイベントでモノフェローズが意見を出してできた製品らしい。らしい、という人ごとのような書き方なのは、その以前のイベントには私は参加していないためだ。したがって、予断なしにこの製品のレビューを書く。


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Logitec LHD-EN100U2HLW。「凛」と名付けられたこのシリーズは、「隠すのではなく飾るモノへ」「日本でなければ作れない技術を使ったモノへのこだわり」を標榜するプレミアム商品である。

筐体はピアノ調のような艶ありの黒いプラスチック製。初代プレイステーション3より少しだけ艶が少ない感じで、OA機器然としていない外観で、視界にあっても邪魔にならないと思う。

ただ、視界に入ることを積極的に意識するのであれば、もうすこしアクセスLEDの点滅方法も気を遣って欲しかったところだ。単純に忙しく点滅するアクセスランプではなく、もっと長い周期で点灯/消灯したり、呼吸をするようにフェード点滅するなどすればスペシャルモデルとしてベターだろう。


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インターフェースはUSB2.0。まぁ、至って普通である。USB3.0が視野に入りつつあるご時世、Macユーザー切望のFireWire800がここでも搭載されなかったのは残念。FireWire、規格速度はともかく実測速度がUSB2.0とは全然違うのになぁ。


本機の特徴の1つは、シーク音が低減されていることである。少し詳しい方ならご存じと思うが、HDDにはAAM(Automatic acoustic management)という「シーク音の静音を優先するか、シーク速度を優先するか」を設定する機能があるが、それが静音側に設定されているのだ。

しかし普通のユーザーはそんな設定があることなんて知らないし、いざ変更するのも敷居が高いので、メーカー側で予め設定しておく手法はアリだと思う。

AAMを静音側に設定する副次的な効果として、ロジテックによるとシークに必要な電力が若干減るらしい。また、シーク速度が少し遅くなるが気にならないほどだという。まぁ確かにベンチマークでもしない限りシーク速度の低下は体感できないだろう。

なお、AAMについては英語になってしまうがWikiに掲載がある

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上の写真のように、AAMを静音側に設定した機体とそうでない機体を実際に聴いてみたが、そうでないほうは「コリコリコリ」というシーク音なのに対し、静音設定側は「サラサラサラ」という音である。

なお、静かになったのはシーク音だけで、アイドリング音まで静かになっているわけではないので過度の期待はしない方がいい。メーカーでは「木の葉の触れ合う音」と言っているが、確かに音圧はそうなのかも知れないが、かたや自然の音でかたや機械音である点は注意が必要だろう。

内蔵されるドライブはHGST製またはウエスタンデジタル製に限定されるようだ。その他は今のところ搭載予定はないので、他社のHDDのようにうるさめのメーカーのベアドライブが入っているか解らないという不安からは解放される。これだけでも価格の1割くらいの価値があるんじゃないだろうか。


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ACアダプターはロジテック伝統のコンセントを大きくふさぐタイプのもの。ロジテック曰く、もっとコンパクトなACアダプタも世の中には存在するが、ロジテックの品質基準を満たさないのだという。ええ、だから他社さんでACアダプタが本体同梱されているほかに、なぜか別売されている事例がある訳ですね、解ります。ライバルメーカーなのでここで名前は出しませんが。でもこのアダプタの邪魔さ加減には納得できないので、現状に満足することなくより良いACアダプタ探しの旅は続けて欲しいと思う。

なお、この「凜」シリーズはロジテック社のWebサイトからの直販のみで取り扱われる。

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