既報の通りiMac Core i7(Late 2009)を導入したのでレビューを記す。本稿では特に断りのない限り、私が以前使っていたiMac Late 2006(Core 2 Duo 2.16GHz)モデルとの比較である。


iMac 27-inch Core i7 (Late 2009)

箱から出したときは「しまった…!」と呟いてしまうくらい大きく感じた27インチだが、数日使ってみて、もはや20インチには戻れないと感じている。私は長らくグレアパネルを嫌っていたが、今回はグレアパネルにひれ伏した形だ。いまでもノングレアパネルの方がいいと信じているが、テレビ用液晶パネルと生産設備を共用することによるコストダウン、映り込みがない状況下での表示の美しさ、画面強度…子供がアタックしたときの被害の小ささなどを考えると、もはやマスマーケットにノングレアパネルの勝ち目はないように思う。

光源の映り込みがないようにさえ置けばグレアパネルの表示は美しく、今までのノングレアパネルからベールを1枚はがしたような描写をする。もちろんノングレアパネルは光を拡散するフィルターを1枚入れているお陰でノングレアでいられるのだから、それを取り払ってしまえば一皮むけた映像になるのは当然である。

嫌っていたグレアパネルであっても今回のiMacを選んだのは「節目」を感じたためだ。i7プロセッサによる飛躍的な性能向上、LEDバックライト液晶、1TB HDD、SDカードスロット、それに円高傾向と言うこともあるのだろうが、割安。3年使ったiMacをリプレースするタイミングだと思った。


iMac 27-inch

ではまず正面から。今回のiMacは「アゴ」が短くなったデザインのため、画面大型化による高さのアップが最小限に抑えられている。サイズの割には何となく置き場所に「収まってしまう」のもそのためだろう。ややバリが取り切れない感もあるアルミ筐体だが、グレア液晶と黒い縁取りデザインで、大きさといい、その佇まいはもはやテレビである。画面下部の黒いリンゴマークは今回もApple Remoteの受光部のようだ。(一部資料で受光部がガラスパネル内に見受けられるものもあるが、リンゴマークを覆うとApple Remoteが効かなくなることから、ここが受光部で間違いないだろう。)

スタンドは薄型化され、使わないときにキーボードを納めるのに便利な形状になっている。しかしここへのキーボードの出し入れを行った場合にキーボードの背面と擦れ合って、長年においてはキズが付く点については、今回も特に積極的な対策はとられていない。私はキーボード背面側に透明な保護シートを貼ってキズが付かないようにしている。

画面の輝度は白一面などを表示するとやや輝度ムラを感じることはあるし、画面下部に僅かな黄ばみを感じられるが、それはいずれもそういう疑いの目で見れば、というレベル。一般的な使い方でそれらを感じることはないだろうし、それが許せないほど高度な利用ならば、単体高級モニターとMac Proの出番だろう。


iMac Core i7

背面を見てみよう。背面の黒いリンゴマークの部分は樹脂でできており、無線LANのアンテナある。アルミ筐体では電波を通さないためだ。


iMac Core i7

電源ケーブルを通すスタンドの穴には以前は樹脂製の縁取りがあったが、現在では省略されている。FireWire400×2ポートはなくなり、代わりにFireWire 800 (IEEE1394b) ポートが1つ。一方、USBポートは1つ増えて4ポートになったが、USBキーボードとマウスがワイヤレス化されたことを考慮すると実質的な空きポート数は2つないし3つ増えたことになる。光デジタル入出力兼用のオーディオ入出力ジャックは健在だ。

電源ボタンの質感は背面と同一であり、表側から手を回して手探りすることがやや難しい。手探りでもう少し容易に探せるよう、ボタンの表面処理を変えるか、小さな凸があって然るべきだろう。

CPUである2.8GHzのCore i7はCore 2 Duo 2.16GHzと比較すると3倍強の演算速度がある。クロック速度の差以上に演算速度が違うのは、CPUコアの数が増えているからだ。Core i7の実体は4コアだが「ハイパースレッディング・テクノロジー」により、各コアが仮想的な2コアとして使えるので合計で仮想8コアとなる。

CPUベンチマークでは一部Mac Proにも匹敵する速度とも言われるi7モデルだが、実際のアプリケーションではRAIDを組んだMac Proには敵わないように思う。

たとえばParallels Desktopの上で走るWindows XPでAVCHDムービーを再生してもCPU自体は鼻歌交じりなのだが、では実際に再生が引っかからないかというとそんなことはなく、Parallelsの外…すなわちMacOS X側で何かHDDを使用するような処理をすれば、そこがボトルネックとなりAVCHDの再生は途切れ途切れとなる。すべてのデータがスムーズに流れることを重視して設計されているMacProとはCPUの演算速度だけで同じ土俵には上がれないと思う。やはりMacProには価格分の価値はある。

今回のiMac 27インチ(Late 2009)のラインナップはCore 2 Duoの3.06GHzと、2.66GHzのi5と、2.8GHzのi7の3つだが、現時点ではCore 2 Duoの3.06GHzで何ら不足はないだろう。ただ、購入時には充分だと思っていても、次々と新しいアプリケーションがリリースされるうちに重く感じてくるのがCPUなので、購入時点で余裕があるのは悪くない。

動作音は静粛そのもので、iMac Late 2006よりさらに静かだ。もしかするとLate 2006は長年の使用で少し音が大きくなっていた可能性はある。細かいことを言えばHDDがアルミ筐体に取り付けられているせいか、シーク音が筐体に響くような音がする。まぁ目くじらを立てれば、と言うレベルだ。


iMac Core i7

内蔵スピーカーの音は薄型筐体になってからの内蔵スピーカーでは最高の音質だと思うが、所詮反射型だし、低音の量感も単体スピーカーには敵わないので、結局以前から使っていたBOSE Media Mate IIを接続している。縦置きでは置く場所がないので、仕方なく市販のゴム足を貼って横置きだ。

消費電力は現在も様子見中だが、本機のスペック上の最大消費電力が365Wであることと、TDPが95Wと言われるi7や、27インチ液晶パネルを搭載した筐体の割には、想像以上に実消費電力が低いように思う。現在ディスプレイの輝度を約半分にして(これで適正な明るさだと思っている)裏のParallels DesktopでWindows Updateを走らせつつこの文章を打っているが、接続してある消費電力計(エコワット)は120〜130Wを指している。Windowsを終了してエディタで原稿を打つだけなら90W前後だ。

iMacに付属するMagic Mouseについては語ることが多いので別途記事を書きたいと思うが、今までMicrosoft IntelliMouse Optical一筋だった私が今回のマウスは使ってみようという気になっている。それだけ良くできたマウスだと言うことだ。

スリープ状態では特にインジケーターLEDがある訳ではないし、動作音も静粛なので、スリープ状態とまったく区別が付かない。ミニマルデザインを追求しているのは分かるが、何らかのエレガントな通知手段が欲しいところだ。


iMac Core i7

内蔵DVD/CDドライブはスロットローディング式なのは伝統だが、相当慎重に出し入れしないと、アルミ筐体にディスクが擦れてディスクに傷つくことがあるようだ。ここは設計段階で樹脂のカバーを付けるべきだっただろう。


iMac Core i7

また、今回新しくSDカードスロットがCDドライブの下に装備されているが、側面のため手探りで挿入することがあり、誤ってDVD/CD側の穴に入れてしまうと奥まで入ってしまい取り出せなくなることがある。注意が必要である部分だが、こういった事故を誘発しやすいデザインも良くない。


色々細かいことを書いたが、今回のiMacも売れているようで、ネット界隈でも購入報告をよく見かける。iPhoneを契機にMacに興味を持ったユーザーにも勧めやすいモデルだと思う。