納車式は花束も写真もない質素なものだ。専用の納車説明室にて納車確認書に書かれていることや、注意事項を淡々と説明するだけ。

A3納車

何故か納車時にエンジンオイル(カストロール)1リットルの缶が付いてきた。説明によると「化学合成オイルなのでエンジンオイルがガソリンと一緒に燃焼してしまうことがある。インパネ内にオイル残量警告表示が出たらこの缶を丸1本入れて欲しい」とのこと。

ナビはメーカー純正のMMS(Multi Media Station)を選択した。A3の場合はMMSを選択しないと2DINサイズの取付スペースが確保されないため、社外ナビを取り付けたい場合は1DINサイズの画面を引き出すタイプか、オンダッシュ対応のものしか取り付けできない。オンダッシュは液晶からの配線がむき出しになり見栄えの良いものではないし、1DINインダッシュタイプはナビ使用時にハザードスイッチが液晶画面に塞がれて使えなくなってしまう。

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MMSのナビとしての機能だが、機能は最低限にとどまる。地点登録時の漢字入力でも、単漢字入力しかできないのには驚いた。「東京」は「東」と「京」に分けて変換するのだ。1980年頃のワープロに戻った気分だ。

またVICSはFM多重にのみ対応し、VICS信号が重畳されている放送局(一般的にはNHK-FM)を受信していない場合には渋滞表示をすることができない。CDやMDを聴いている場合には渋滞表示が可能だが、AMラジオを聴いている場合には渋滞表示はできない。DGPSにも対応し、精度の高い位置検出もできるが、これもVICSとは排他利用になる。

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ルート案内時には、メーターパネル内のオンボードコンピュータディスプレイにも次の交差点の情報などが表示される。

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またこのナビは、オーディオと電源が連動しており、ナビを使っている限りオーディオだけをOFFすることができない。ナビを使いつつオーディオは不要な場合は、オーディオのボリュームを0に絞ることで対処するしかないようだ。このあたりの思想はエアコン操作にも通ずるものがあり、エアコンをOFFする場合には風量を0にする。

MMSの液晶を開けた写真がネットにあまり出回っていないようなので、ここに晒しておく。

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ネット上の評判を見ると「実車を見て惚れた」という意見もあり、写真ではうまく表現できない魅力があるのも確か。色は子供からの視認性を考えて「モーリシャスブルー・パールエフェクト」を選択したが、大型店舗の広い駐車場でも子供がちゃんと見つけてくれ、目論見が当たって良かった。とはいえ、日本に輸入されるAudi車は本国より色の選択肢が狭く厳選されているので、どれを選んでも「外れ色なし」だ。

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ドアの開閉はとても重く、3段階のノッチがあり、強めの風でもドアがバタンと持って行かれることはない。ドアはドイツ車らしく「ボム!」と閉まる。またリアのハッチは「スチャッ」と、緻密な良い音がする。

エンジンをかける。直噴のためかアイドリングは若干ディーゼルっぽい音はする。ホンダあたりから乗り換えると残念感が高いかも。

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フットブレーキをリリースすると、パッドがローターから離れる「ゴゴゴ」という音が豪快に車内に響く。まぁこれは「200km/hから止まれるブレーキ」の宿命ということでご愛敬。気になる人は気になるようだが、俺はこんなものかと思う。ブレーキが暖まってくるに従い、音は小さくなる。

走り出す。これで2リッターNAなのかと驚くほどグイグイ加速する。市街地では50km/h程度でもあっという間に6AT中の5速に達し、燃費と静粛性を稼ぐ。日本のトヨタ系列のアイシン製という6速ATは変速もスムーズで、停止寸前からの再加速時以外は変速ショックをほとんど感じさせない。欧州車のエンジンは概してトルク重視と聞いていたが、それがここまで乗りやすいものだとは思わなかった。今まで乗っていたエンジンがすべて出力(馬力)重視だったので、ある程度まで回さないとトルクが出なかったのだ。

慣らし運転中なので当面は3,000rpm以上回さないようにしているが、それでも6速ATのお陰で、3,000rpmでは高速道の法定速度の3割増くらいは出てしまう計算だ。

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ステアリングはドイツ車としては普通だと思うが、国産お買い物カーから比べるとかなり重めで、少なくとも手のひらで回すには力がいる。勿論ちゃんと握って回せば何の問題もない。

コーナリングは路面を掴んで離さない感じがする。幅205のタイヤにここまで仕事をさせられるのかと感動。

サスペンションはおそらくドイツ車に期待されるサスペンション像そのもので、ハッキリ言って最初は泣きそうなくらい固かった。入力は鋭く、収束は一瞬。しかし1,000kmほど走り込んだところ、だいぶ入力が柔らかく、快適になってきた。相変わらず収束は早い。路面の凹凸は細かく拾うが、卵の殻のようなボディで、小型と言うこともありヨレる感じは一切ない。このサスペンションのセッティングは高速道に乗ると快適度が増し、安楽で安心感が高い。

幅はあるが前後が短く、オーバーハングも短いので車両感覚はつかみやすい。国産1.3L車から乗り換えた妻にも車両感覚のつかみやすさは及第点を貰った。それでも念のためフロントコーナーポール(電動)をオプション注文した。またリアに直下の死角がどうしても存在するため、本当はバックカメラが欲しいところだが、純正では存在しないため、リアの超音波センサーをオプション注文した。

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超音波センサーを使ったのは初めてだが、ある意味バックモニターカメラより案配がよい。バックモニターだと実視界と液晶モニタの映像を交互に見なければならないが、超音波センサーだと「ピッ、ピッ」という電子音で障害物の有無を知らせてくれるため、目は実視界だけに気を配ればよいからだ。

なお、超音波センサーはフェンスの網でも反応したが、細いポール状のもので反応するかはまだ試せていない。

超音波センサーはギアをバックに入れたときに「ピーッ」と一回起動音が鳴り、その後は障害物が1.5mに近づくまで無音だが、これを装備しない場合、ギアをバックに入れても完全に無音である。

話は再びインテリアに戻るが、今回「みんカラ」の情報によりマップランプがA4と互換性があることを知り、A4用のマップランプを注文し自分で取り付けてみた。

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余談だが、マップランプとバックミラーの間に第3のサンバイザーが付いている。芸が細かい。

マップランプにはいわゆるエロいダウンライトが付いており、上の写真中央の丸い2つの穴がそれである。夜間点灯させると、下の写真のようになる。

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このダウンライトにより、シフトノブのあたりが妖しく照らされる。

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このクルマ、とにかく芸が細かい。第3のサンバイザーは前記したとおりだが、たとえば荷物室横の500mLペットボトル2本分程度の小荷物用ネットの付け根部分ですら、以下の写真のように可動式である。ゴムのネット自体の弾性に任せても良いような物を。

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芸が細かい点はほかにもある。MMSの音声案内も、音楽の音量が大きいと音楽を少しミュートするが、音楽のレベルが元々低い場合、ミュートはしない。ハザードの点灯時間はエンジンがかかっているときよりかかっていないときの方が短く、バッテリーを節約しているように見える。ワイパーはゴムのクセつきを防止するため、ワイパー停止2回に1回はワイパーを停止位置で微動させ、ゴムの向きを反転させる。イモビライザー付きキーは折りたたみ式。ズボンのポケットに引っかける心配が少ない。キーは2本あるがそれぞれのキーごとにエアコンの温度設定が記憶される。車高が変わるほど荷物を積むとは思えないが、キセノンヘッドライトはオートレベリング機構にヘッドライトウオッシャー機能付き。

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見慣れてみれば、ややおとなし目のデザインだし、本国では実用車扱いの車だ。しかしクルマ全体から「いいもの感」が漂い、良い買い物をしたと思う。パッケージも我が家の生活スタイルにちょうど良いサイズ。どうしても6人7人で移動したければ、レンタカーを借りればよい話だ。1年に1回大人数で移動するために、普段の走りを犠牲にしたくはない。


【納車時のトラブル】

  • Audi Japanが貼り付けたと思われるリアウインドゥガラス左下のAudi Japanステッカーが剥がれかかっていた。みっともないので再発行を依頼。

  • ラゲッジルームの天井の内装が浮いていた。おそらくディーラopの超音波センサーを取り付けた際の作業漏れ。ディーラーにて要所を強く叩き、はめ込んで終了。



【その後のトラブル】

  • 運転席右側付近からビビリ音発生。原因を調べたところ、ビビリ音その1は、左膝前の小物入れの中でデンソー製ETCユニットが振動していた音だった。ホームセンターでスポンジゴム80円を買ってきて、適当なサイズに切ってETCユニットと小物入れの壁面の間に挟んで対策完了。ビビリ音その2は、運転席窓ガラス下端にある、埃が入らないようにしている起毛のパットとガラスが擦れる音。いずれ内装が汚れてくれば消えるとは思うが、それも待っていられないので、シリコンスプレーを針状のノズルで吹きかけて終了。



【燃費】

高速道6割、市街地4割で、11.9km/Lくらい。



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